社会福祉法人 明社会

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就職を検討している方向け

2023年5月22日


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5つのもくひょう

■2022年7月12日


東平ひまわりこども園 園長の吉川厚子です。 

明社会の「5つのもくひょう」の思いをお伝えします。




社会福祉法人 明社会 の理念は、


「命・健康・感謝」を大切にする


です。



理念は、広い解釈ができます。

理念を実現するためには、

もっと具体的な目標が必要です。


社会福祉法人明社会では、

「5つのもくひょう」を念頭に置いて、

日々の教育・保育を行っています。




☆5つのもくひょう☆


1.だいじないのち




2.げんきなからだ





3.ありがとうのきもち






4.かんがえるあたま






5.いきるちから






子どもたちには、これら5つの言葉を使って伝えています。

この「5つのもくひょう」は、

明社会の子どもたちに育ってほしい姿です。


ひまわりこども園の3~5歳児の子どもたちは、

毎月誕生会で「5つのもくひょう」について学びます。


子どもは成長とともに友だちと一緒に過ごす時間が増えていきます。


自分の存在を大切にできると、

周囲の友達のことも大切にできるようになっていきます。

「自分っていいな」の次に「友だちっていいな」がやってきます。


その土台として、子どもの周りにいる大人が、

子どもたち一人ひとりを大切にする必要があります。


友だちと遊ぶ事で喜びや楽しさを発見したり、

時には自分の思いが通らずに、自分の気持ちと折り合いをつけたり・・・


人は一人では生きていくことはできません。

必ず、どこかで誰かとつながっています。

誰かのおかげで、今を生きることができるのです。


自分自身を大切にし、生きる力を育み、

周囲の人とのコミュニケーション、社会性を

育んでいってほしいと願っています。


社会福祉法人明社会では、

この目標を持って教育・保育を行っています。


これから先、行事等の見直しの際にも、

「5つのもくひょう」を目指しながら、

子どもたちが充実して過ごし、

健やかに育っていけるよう、

職員一同、取り組んでまいります。

遊び環境アドバイザー 横山諭さん お話レポート

■2022年5月23日


東平しらゆり保育園 園長の吉川貴也です。 

 

2022年5月14日、遊具の広場「にじのおか」のオープンにあたって、

「 育ちの仕組みから考える ~ 求められる遊び環境 」をテーマに

株式会社アネビー 遊び環境アドバイザー 横山諭さんにお話いただきました。

 

職員一人ひとりが、“子どもたちにとって必要な遊び環境とは何か?”を考える機会となりました。

 

はじめに、「しつけ」と「育ち」の切り分けについてお話がありました。

 

「しつけ」:挨拶・作法・習慣などを身に付け、コミュニティのルールに適合させること。

 

「育ち」:経験を通して能力を向上させ、自己を確立すること。これは、子どもたちが「やりたい」気持ちに従って行動することとも言えます。

 

「しつけ」は生活の場面、「育ち」は遊びの場面と考えるとイメージしやすいでしょう。



(1)育ちの仕組み ・・・ なぜ「やりたい」のか

・脳の判断能力は二択しかありません。

   (好き・快 ←→ 嫌い・不快)

ヒトは、「快」を選択し「不快」を避けることで、生命を維持し、種を存続させてきました。

「快」を繰り返すことで、人は記憶を積み重ねていきます。

 

◆ 育ちとは ・・・ 「良い記憶」の経験のみが人を育てる

続いて、“育ち”の3つの要素についてお話がありました。

 

①記憶

脳は、「大事!」と判断したことを記憶します。

人の脳は記憶するときにドーパミンが分析され、「うれしい」感情になります。

記憶する経験を繰り返し、長期記憶を積み重ねていくのです。

 

②能動性

能動と受動のちがい

同じ動作をしても、受動的にするのと能動的にするのとでは、脳が受ける刺激が異なることが実験でわかっています。

 

③ミラーニューロン

人の動作を見ると、脳の同じ部位が反応します。

 

☆それらを考慮し、3つの要素を満たす、「遊び」のデザインについて考えると・・・

 ①長期記憶を蓄える

  →繰り返しチャレンジしてコツをつかむ

 

 ②能動的に活動する

  →今やりたい気分のことが用意できる環境がある

 

 ③人の成功例を見る

  →「発達の近い上級者」がいる

となります。

 

次に、それを実現するために必要なことについてお話をいただきました。

 

◆ 育ちの秘訣 ・・・ 充分な時間・主体的に・異年齢で遊ぶ

 

豊かな育ちのためには、

 

 ①充分な時間と頻度で、

 ②主体的に、

 ③誰かと一緒に、

 

遊ぶことが最適と考えられます。

 

大人が知っていることは、子どもに教えたくなってしまうけれど、隣の子を見てできるようになるほうがいいというお話が印象的でした。

 

◆ アフォーダンス ・・・ 子どもたちの行動をほのめかす環境づくり

人は周囲の環境によって、行動を誘発させる(J.J.ギブソン)

 

トランポリンがあったら、上に乗ってジャンプしたくなりませんか?

物など、周囲の環境によって、人の行動が誘発されるという考え方が「アフォーダンス」です。

 

環境を変えたら、子どもの行動が変わります。子どもの「やりたいこと」をほのめかす環境が遊び場なのです。



(2)「遊びの価値」と危険性(安全性、ともいえる)

ここからは、遊具の価値を考えるにあたって、社会環境のお話をいただきました。

 

第二次世界大戦後に、遊具ができました。

競争が、武力からお金を稼ぐことに移り変わったのです。

そのため、都市化して、「売る人」と「買う人」を物理的に近づけることが、経済的に効率がよいと考えられました。

子どもの遊び場は、お金を稼げないから、経済的には無駄と考えられてきました。

 

◆ 時代 ・・・ 子ども達の遊び環境の変遷

・遊び場としての空き地と路地が失われました。

・地域社会(ガキ大将文化)が喪失しました。

・ドアTOドアの生活となりました。

→もう市街地では遊べない…そんな社会環境になってしまいました。

 

自宅と保育園、職場の移動の多いドアTOドアの社会環境だからこそ、保育園でお散歩に出かける価値が高いというお話が、励みになりました。

そして、園庭は「子どもたちの遊びを保障できる場」なのです。

 

 遊びの量:場所×時間(頻度)

 遊びの質:遊びの価値

 

子どもたちには、遊びの「量」と「質」両方を保証することが必要です。

 

◆ 『遊びの価値』 ・・・ Play Value;見えない目的

子どもたちは、「さわりたい!動かしたい!登りたい!」など、たくさんの内なる欲求を持っています。

それらを満たすためには、実験と挑戦の要素が必要です。

 

『遊びの価値』には、大きく2つあります。

1つ目は、【身のこなし】です。経験を通して、地球の重力を感じることで、生活環境の法則や危険への対応がを身につけます。

「痛い!」「熱い!」など、やってみてわかることがあります。

 

2つ目は、【人付き合い】です。複数の子どもたちが一緒に遊ぶことで、社会性、コミュニケーション能力が育まれます。

コミュニケーションの目的は、意思の疎通をすることで、自分の考えている方向に物事を動かすことにあります。「もめる・ゆずる・協力する」という経験をしてこないと、共感や同意、反発、協調の制御などが身につきません。

 

『生きる力(やり切る力)』とは、問題解決能力です。目的に向かう壁にぶつかった時、何とかする力。いわゆる、想像力・意欲・根気などの「非認知能力」です。

 

「非認知スキル」を提唱し始めたのは、「幼児教育の経済学」の著者である経済学者である、ジェームズ・J・ヘックマン氏です。

 

90分のプログラムを2週間受けた子どもと、受けなかった子どもの成長後の生活水準を見た時に、プログラムを受けた子どもたちのほうが、平均的に生活水準が高いという結果が出ました。

経済界からは、「幼児教育は、投資に対してのリターンが大きい」ということが言われました。そこで今日の世界中で幼児教育無償化の動きへとつながっていきます。

 

「生きる力」とは、学力ではなくて、非認知能力です。数字で数えられないチカラなのです。これを、経済学者が言っていることが興味深いことです。

 

◆ 安全 ・・・ 遊び込むための絶対条件です。

『良い遊具』とは何でしょうか。「安全な遊具=良い遊具」でしょうか??

 

自然界には危険もありますが、子どもたちが自然の中で遊んでいてケガをしても、誰かが責任を問われることはありませんでした。

しかし、遊具でケガをしたら、遊具を作った人の責任を問われます。

そうはいっても、安全を重視しすぎて挑戦の要素が少ない遊具は、つまらなくなってしまうのです。

 

人がデザインする遊び場には、築山、小川、遊具などの“ミニチュアの自然”を作っていきます。

今回設置した、HAGS社の遊具は、発達・医療分野と共同開発されています。「木登りをする時には体をこう動かす」など、体の作りを研究されて作られた遊具は、ほとんどないそうです。

遊具周辺でのリスクは、「挟み込み」と「衝突」がありますが、設計で環境を調整することができます。

 

人は「こうすればできる!」と思うこと以外はできません。

人は、「できる」と思うから「やる」のです。

 

できると思って、やってみた。

 ↓

あれ!?うまくいかない。

 ↓

もう1回やってみよう。

 

このサイクルが遊びの中で、何度も繰り返されていきます。

 


“正しい”遊び方とは・・・

遊び(育ちの場面)は、生活(しつけの場面)ではありません。

ほんの少し先のコトは、今はまだできません。

身につけるために、繰り返し挑戦すると、何度も失敗します。

 

一度の失敗で人生が狂う(死亡や後遺症のリスク大)ようでは、遊び込むことはできません。

子どもたちが遊び込むためには、安全を保障する必要があるのです。



(3)より良く遊び、育つための「約束」

では、子どもたちの発達に最も有利な遊ばせ方は何でしょうか?

「やってみなくちゃわからない、って思ったの」と発した4歳女児のことばが、遊びのことを表していると横山さんは言います。

 

「やりたい!」

(やってみたけど、できなかった)

「あれ!?」

子どもたちは少しずつ、何かを変えてチャレンジしていきます。

 

◆ 上手な遊び方 ・・・ 子どもと大人の約束

挑戦遊び(遊具)での約束。

 大人が守ること:

    ①子どもを抱っこしない(押し上げ、受け止め)

    ②手を引かない

    ③けしかけない(あの子がやってるんだから、やってみたら・・・)

 

①②大人の助けなしでは遊具に挑戦できなくなってしまうことを避けるためです。

③「できる/できない」の判断は大人でも、子どもでも、年齢に関係なく自分でやるものです。

 

大人が先回りせずに子どもを見守ることで、経験できることがあるのです。

 

 子どもが守ること:

  (遊具の上で)けんかしない、ふざけない、人を押したり引いたりしない

 

けんかや押し合いは、子ども同士のコミュニケーションの練習のためには必要ですが、安全のため、遊具から降りて行います。

 

生きる力の原点となるのが、「遊び」なのです。

というお話で締めくくられました。



(感想)

このお話を伺って、私は改めて、『遊びの価値』について考えました。子どもたちが能動的にさまざまなことに挑戦することで、記憶が蓄積されていきます。

私が幼いころ、扇風機に指を突っ込んで痛い思いをしてから、二度とそうならないように、ものすごく注意を払うようになったことを思い出しました。

たくさんの失敗を繰り返しながら、子どもたちは「こうしたら、うまくいく!」ということを体得していくのです。

一度の失敗が大怪我につながることのないように安全を保障し、子どもたちが安心してチャレンジ、失敗できる場を作っていきたいと改めて感じるお話でした。

 

横山諭さん、ありがとうございました!